一日の始まり、嬉しい挨拶

2024.09.12

一日の始まり、嬉しい挨拶

水子供養へお越しのご縁の皆さんはインターネットでの検索から霊源院にご縁を向けて頂きお越し下さる方が多いと思います。

一回目のご縁以降、毎年継続にお越し下さり、本当に近しいお方も多いです。

それでも、霊源院が東福寺(臨済宗)の塔頭寺院(たっちゅうじいん)ということをご存知のお方は少ないことと思います。

東福寺には塔頭寺院と呼ばれるお寺が25有ります。そしてご存知のお方も多いと思いますが中央に東福寺の本山が有り、秋の紅葉で有名な「通天橋」が有ります。

更には関西を中心に三重、滋賀、四国と地方に所謂末寺と呼ばれるお寺が有ります。

さて、塔頭寺院とは東福寺の歴代の管長が現職を退任なされ、隠居致す時に造られた隠居の庵が後世に渡り、お寺となり、本山を近くでお守り致す、江戸幕府で申し上げれば「旗本」に近い存在と申し上げれば解かって頂けるでしょうか。

私達塔頭寺院の者は自己の工夫にて各々をお寺守りを致しています。

基本は各お寺の裁量にて寺守りを致していますので、各塔頭寺院は工夫を致し寺守りをなされています。

そんな中、霊源院は随分と前から「水子供養のご縁」を頂き、寺守りの大きな部分とそれが成っています。

お陰様で、既に25年以上の歴史を積み上げ、お顔合わせ致しますれば「名前」が浮かぶ方も少なくない程となっています。

私達塔頭寺院の者は毎月少ない時でも必ず、5回は本山へお勤めのお経を読みに参ります。

本日も朝8時から本山の「山門」の上での法要がありました。

副住職の次男はお勤めの用意があるので早い目に本山の山門へ向かいました。

私は少しゆっくり目に決められた時間に間に合います様、威儀を整えお寺を出る用意を致しました。

用意が整い、さて本山へと玄関を出ますと、蓮華堂へお越しの若い男性から「おはようございます」との朝の元気の良い「挨拶」を頂きました。

「おはようございます」とお返事を致しますと、身体に爽やかな感触が広がって来ます。

そして、本山へ向かいます道中。

外国からお越しのカップルと出会い、あちらからおはようございますとの挨拶、更には学校へ向かう中学生からも「おはようございます」との挨拶を頂きました。

けっして珍しいことではありませんが、最近はやはりそのようなお声掛けを頂くことは減っているように感じます。

本当にお寺で頂いた朝の挨拶、通りすがりのご縁のお方からの頂いた挨拶で何とも嬉しい気持ちが広がり、うきうきの朝の始まりとなりました。

「おはようございます」というこの言葉はコミュニケーションの最たるものとして知らてはいますが、「仏教用語」であることをご存知のお方は少ないのではないでしょうか。

挨拶の「挨」とは推し量る、近ずくという意味、「拶」は迫るという意味を持ちます。

これは禅宗の眼目の修行、禅問答の中での、先生と教え子との緊張を示す禅語です。

相手の想いと様子を伺い、真摯な想いで「接する」、それが挨拶です。

禅問答を脇に置いても、自身の近くに居られる方へ気遣いの想いを伝える、それが「挨拶」なのです。

喩、近しいお付き合いの無い方、もっと言えば初めてお目に掛かったお方へこその挨拶こそがその本質なのです。

もうお会い致す機会がないお方への「おはようございます」がそれを受けられた方の良き一日に関わっておると思いますと、「挨拶」を粗末には出来ぬとの想いに満たされます。合掌