家族の写真。

2023.12.30

家族の写真。

愈々、年の瀬も押し迫って来ました、どなた様も新年を迎える準備に追われているのではないでしょうか。

お寺の迎春準備は主に掃除となりますが、シルバー人材センターのお方のお力添えでお墓の掃除も綺麗にして頂き、蓮華堂、絆縁堂、地藏堂も女性スタッフのお方がいつも以上に念入りに掃除下さいましたので、堂内は清々しい空間になっています。

年末のお参りも多くの皆さんがお越しになられていますが、お正月のお参りも皆さんに気持ちよくお参り頂く環境が整い、一安心です。

お正月、多くの皆さんが亡き赤ちゃんへ新年のお参りにお越しになることを思いますとお堂を支えて下さっている女性スタッフのお方には本当に感謝です。

さて、過日にお見掛け致した素敵な光景についてのお話しです。

一昔前までは家族で写真をと言えば、フィルムカメラでお父さんが家族を写したり、タイマーをセットして家族全員がカメラに収まる光景が普通でした。

今は私も含め、どなたもがスマートホンで気軽に景色を残す時代になっています、又、画像もデジタルカメラに負けぬほどの綺麗さです。

お寺の玄関を出て、門へ向かおうと致し、蓮華堂の方向へ目を移しますと子安地蔵尊の横の「みんなの花壇」の前で声が致します、お子さんの名前を優しく呼びかけ、スマホの方へ顔を向けるようにお母さんが話しかけています。

そして、花壇を背にお父さんが小さな赤ちゃんをしゃがんで抱っこしています。

家族で写真を撮っていらっしゃたのです。

亡き水子さんのお参りに来られ、冥福を祈られた後に、大切な家族の写真を霊源院の中でとって頂いていることがこのご家族にとってお堂が大切な場所となっていることを感じて、とても嬉しい思いとなりました。

これからも折に触れお参り頂くことでしょうし、赤ちゃんも又、日々成長なされてゆきます。

その日々に、お寺が関われていることも又、大きな喜びとして感じました。

ご家族が幸せに暮らされ、お子さんが無事に成長なされて行くことを心から願うものでした。

履物を揃えることは、心を整えることと同じです。

どなたもがご存知の禅の言葉「脚下照顧」(きゃっかしょうこ)。

自身の有り様をしっかりと見つめ、生活を整えなさいという意味です。

履物を脱いだ後、それを揃えることを忘れぬようにという意味も含め多くのお寺、施設にその言葉が示されています。

私も慌てている時は不覚にも、脱いだ履物を揃えづにそのまま上がってしまうことがあります。

この言葉の示す意味、文字通りに履物を揃えることは勿論に大事ですが、更に大切なことは履物を揃えることを心がけることは自身の心を真摯に覗き、乱れが無いかと、自分に常に問いかけることの大切さを指し示しています。

その「脚下照顧」の心を忘れずに日々の生活を積み上げて行きたいですね。

先日、水子供養へお越しの若いご夫婦、応接での供養の説明の後、本堂でお供養を致し、帰りの時、廊下の突き当りでスリッパを脱いで頂くのですが、廊下の縁にスリッパの後ろを当てて揃えるお方が多い中「しゃがんで、ご主人のスリッパ共々、綺麗に揃えられました」。

勿論に感心いたしたのですが、その姿を拝見致しそのお方のきちんと致した日々の生活ぶりが思い描かれました。

よく知られた禅語ではありますが、その言葉の持つ大切な意味を再度、確認させて頂くこととなりました。

新しい年は直ぐそこです、元気に新年を迎え、充実致した年にするためにも大切にして行きたい言葉です。

来る年には、世界で起きている辛い争いに終止符が打たれ、尊い平和が少しでも早く訪れますことを祈念いたしております。

そして、寒い季節ですが、身体を労り、どなた様も、良き歳をお迎え頂きます様、祈念致します。合掌