随分と前に故人となった赤ちゃんの供養。

2023.11.30

随分と前に故人となった赤ちゃんの供養。

霊源院へは多くの皆さんが、お亡くなりの赤ちゃんの供養へお越し下さいます。

多くの御支持を頂戴致しますのは、お供養の後、ご自身方の亡くなられた水子さんの分身(地蔵尊)「お亡くなりの赤ちゃんを守護下さる」を蓮華堂、絆縁堂へ祀り、何時もご自身方のお亡くなりの赤ちゃんへ気兼ねなく会いにお越し下さることが出来るからと思います。

先日、お電話を頂きました、水子さんのお供養をお願い致したいのですが、随分と前ですが如何でしょうかとのお問い合わせです。

お話しを伺いますと、48年前の水子さんとのこと。

家内と二人で行き、是非、供養をお願い致したいとのお申し出です。

勿論、お供養させて頂きますと、お返事致しますと「安堵の気持が伝わる」、ご依頼の確認となりました。

お約束の当日、さすがにご年配のご夫婦です、お約束の時間の10分前にお越し下さり、此方が恐縮致すほどのご丁寧な御挨拶を頂き、応接にお上がり頂きました。

ご年配の御主人は可愛らしい花を大事に抱え、奥さんを気遣いながら、席に付いて下さいました。

お二人とも静で、控えめなお方ですが、ご挨拶はとても丁寧に下さり、私と同世代かとは思いましたが、寧ろ、年上に感じる程でした。

応接にて、お供養の流れをご説明致しますと、堰を切ったように、その時にお供養を致したかったのに、様々な事情にてそれが叶わなかったことを、控えめにお話し下さいました。

此処の年月にお供養が実現致すことの喜びは伝わりましたが、何故、今日迄、半世紀近くそのお供養が実現できなかったは最後まで解りませんでした。

しかし乍ら、本堂、蓮華堂と続いてお勤めを致し、地蔵尊を所定の場所に、お納めいたし、これから一年間、是非、お二人でお参り下さいと申しあげますと。

「お二人が見つめ合い」、何とも言えぬ表情をなされていることがとても印象的でした。

人は誰でも、他者には解らぬ、深い想いを抱え、それと向き合っています。他者に語ることが出来る事も有れば、自分心の底に抱えねば成らぬこともあります。

大事な故人のお供養を致す時、先ずはお亡くなりの故人「水子さん」が良き所へ転生なさることは先ず第一義ですが、自分の心の奥底にある埋もれた部分に光を当て、自己の心を穏やかに致すことも大事な所です。

半世紀の後に、ご夫婦お二人でお越し下さり、お亡くなりの赤ちゃんの供養は当たり前に尊いことですが、それと共に、今回のお供養をご縁にこのご夫婦がこれまで以上に深い絆で、これからの残りの人生を「幸せに過されて行く」ことを確信致しました。

水子供養はお亡くなりの赤ちゃんの菩提を追善祈願致すことが先ずは第一義ですが、お亡くなりの赤ちゃんは残っておられる、ご両親の安穏を又、望んでおられるのです。

だから、半世紀前にお亡くなりの赤ちゃんの供養へお越しになるご夫婦へそのご縁を

繋げているのではないでしょうか。

そんなことを感じるお供養をさせて頂きました。

来年も又、継続供養へ参りますとおっしゃっておられました、是非、共に元気で再びお会い致したいと思うことでした。

愈々、寒くなって参りました。

11月の18日から霊源院では恒例の秋の「御朱印授与」を致しております。

蓮華堂、絆縁堂へお参りの皆さん、水子供養へお越しの皆さんには賑やかく、少し、ご迷惑をお掛け致しました。

何卒、御許容下さい、

朱印を書いていましても、脚の冷たさは間違いなく、冬へ近づいています。

暖かい日もあり、油断しがちですが、こんな時こそ十分に気おつけねばいけません。

くれぐれも油断なく、日々を過されます様、祈念致します。合掌