水子供養を終わられた後の笑顔が印象的でした。

2023.10.20

水子供養を終わられた後の笑顔が印象的でした。

近世になっては、私たち僧侶は葬儀、法事、法要を檀家さん、ご縁の皆様に寄り添いながらお勤め致し、ご縁の皆様が心安らかになって頂くことが、ある種、職業となっています。

当然にお寺での朝のお勤めを含め、法要に関わることが当たり前ですので、時にもよりますが、基本緊張致すということはあまり、ありません。

それでも、僧侶になりたての若いころは、檀家さんの仏壇の前でお勤め致す「月参り」、お寺の本堂でお勤めの「法事」「法要」、ご縁の皆さんを前にとても「緊張」致したことを覚えています。

ましてや、ご葬儀となりますと、この頃のように所謂「家族葬」と言われている極、近しい方々で故人をお送り致すご葬儀とは違い、且つてのご葬儀は親戚一同、そして故人のご縁の方々が一同に揃われて故人をお送り致す、「盛大」な葬儀が主流でした。

その様な場所へ出向き、葬儀式を致すことは「胃が痛くなるほど」の緊張であったことを覚えています。

さて、過日、水子供養へ霊源院を選んで下さり、初めての若いカップルのお二人がお越しになって下さいました。

玄関のチャイムが鳴り、お迎えに出ますと、ひどく緊張なされたお二人が立っておられます。

一目で過度に緊張なされていることが伝わりましたので、「どうぞ、気楽に応接間へお上がり頂き、お掛け下さい」と申しあげました。

お供養の流れを説明致している間もその緊張は抜けづ、本堂から蓮華堂へ移動致しました。

蓮華堂へ入られますと、右左を見られ、少し緊張が解けたように感じました。

引き続き、蓮華堂の回向を致し、お二人にお焼香を頂き、無事にお供養は終わりました。

ご自身方の地蔵尊を奉安致す場所を示し、又、お参りにお越し下さいねと申し上げ、お布施を頂戴致し、お別れの挨拶を致しました。

改めてお二人のお顔を拝見致しますと、びっくり致すほど表情が違いますので本当に驚きました。

「微笑」を浮かべ、感謝のお言葉を過分な程頂戴致しました。

お供養をさせて頂いた「甲斐」を感じ、喜びが溢れましたことと共に、本当に「緊張」なされておられたのだと改めて思うことでした。

心からお亡くなりの赤ちゃんの冥福をお祈り致したい、でも、訪問致したことの無いお寺へ行くことの不安、緊張がない交ぜで交差致していたのだと思います。

それが、無事に法要も終わり、自分たちの心を届けるお供養を完遂出来たことへの想いが、あの「微笑」へ繋がったのだと思います。

お二人が、深く想っておられる気持ちは間違いなく、お亡くなりの赤ちゃんへ届いています。

これからも「仲良くね」と心の中で念じお別れ致しました。

中東の惨状に本当に心が痛みます。

日本で暮らす私たちはお陰様で、物価の高騰には頭を抱えていますが、平和に、安心の暮らしを続けています。

本当に有難く、感謝を致さねばと思っています。

そして、中東以外の外国の皆さんも、日本へ観光にお越し下さり、やはり、皆さん楽し気に京都巡りをなされています。

しかし、中東では目を覆うばかりの惨状が続き、未だ平和への道筋が見えていないようです。

あそこの皆さんが置かれている状況、歴史は様々なニュース、報道を見ても未だ解らないことが多いのですが、武器を持たぬ一般の方々、特に小さいお子さん方の「苦悩」と「辛さ」はあまりにも大きいと思います。

祈ることしか出来ないのですが、とにかく一日も早く「穏やかな」環境に戻って頂くことを心から念じます。合掌