他を思いやる心。
他を思いやる心。
水子供養へお越しの皆さんが供養の後、途切れることが無い程お参り頂いている、蓮華堂、絆縁堂。
お供えのお花、お菓子も沢山にお亡くなりの赤ちゃんへ供えられています。
お堂へ行くたびに暖かい気持ちになれます。
さて、その蓮華堂、絆縁堂へお越しの皆さんが気持ちよく、或いは便利にお参り頂けるようにお守り致す為に、皆さんのご意見をお聞き致す、アンケートを随分と前からお願い致しています。
多くの皆さんから貴重なご意見を頂き、感謝致すと共に、多くのお喜びのお声を頂き、お守りの甲斐を感じています。
さて、最近頂戴致したアンケートに、お堂に対するお喜びのお言葉と共に、少し厳しいご意見が添えられていました。
それは、各家の地蔵尊の前にお供えされている供物が隣にはみ出し、ご自身の地蔵尊の前にはみ出ており、ご自身の地蔵尊(お亡くなりの赤ちゃん)が「ないがしろに」されているような思いを持ち、悲しくなりました。とのお言葉が添えられていました。
確かにそのお方以外の他の地蔵尊の前(釘掛け地蔵尊、永代地蔵尊)にもお供えがはみ出し、悲し気な地蔵尊が見受けられます。
お亡くなりの赤ちゃんへの追慕の深い想いはどなた様も一緒です。
そして、地蔵尊をわが子と想い、お参り、沢山のお供えをなさる気持ちはどなたも一緒です。
沢山のお供えをわが子にという気持ちは解りますが、此処でこそ「思いやりの心」を思い出して戴き、節度あるお供えをして頂きたく、心からお願い致したいです。
その、「思いやり」という言葉、よく使われる言葉なのですが、日々の生活の中で実践致すことは中々に大変と思います。
今更と思われるかとは存じますが、「思いやり」とは他人に配慮することですよね、漢字で書くと「思い遣り」となります。
「思い」はあることについて考えをめぐらすこと、そして、「遣り」はさし向かわせる、或いは向かうという意味を持ちます。
ですので二つを合わせると「思いをそこへ行かせる」、「気持ちを相手に差し向ける」
最終、相手の気持ちに心を廻らせ、相手の気持ちを思い描き、配慮することとなります。
日々の生活の中で、思いやりを必要とするお相手、事柄は沢山にあると思います。
先ずは、蓮華堂、絆縁堂へ赤ちゃんのお参りにお越しの時、他の赤ちゃんへの思いやりを廻らし、他のお亡くなりの赤ちゃんもわが子と同じく大事な赤ちゃんであると思いを廻らし、ご自身のお亡くなりの赤ちゃんのご冥福をお祈り頂けましたら、そのまま、それが、お亡くなりの赤ちゃんへ届く何よりの「お供え」となるのではないでしょうか。
そして、更には日々の生活の中で、多くの人への思いやりを頭に描いて生活を積み上げて下さいましたら、それは、お亡くなりの赤ちゃんから廻らされた「功徳」なのです。
お堂でお手合わせ頂くときに、「思いやりの心」が忘れられていないか、常に自分に問いかけて確認致したいものですね。合掌