小鳥に教えられたこと。

2022.12.18

京都東福寺霊源院の水子供養ブログ

小鳥に教えられたこと。

兎角、私たちは問題に突き当たり、煮詰まると、そこから前へ進めぬことが多にしてあるのではないでしょうか。

霊源院へ水子供養にお越しの皆さんは先ず、玄関前の応接にて受付をして頂き、それが終わりましたら、本堂へ移動頂き、亡き赤ちゃんの法要を勤めます。

その本堂の手前に、四畳半程の部屋があります。此方の部屋は東側が大きな一枚ガラス、北側が丸窓と、中々にお洒落な部屋と自負致しています。

お寺にご縁の皆さんはどなたでもご自由にお使い頂けますので、機会が御座いましたら是非、ご利用下さい。

さて、その日の水子供養にお越しのお方を御案内致し、本堂へ向かいますと、その部屋から「バサバサ」と音が致しました、仕切りの扉を開けていましたので、何か生き物が入り込んだのだと思い、覗きますと、鳥の「ツグミ」がその部屋で」ガラスへ向かい外へ出ようと必死になっていました。

お越しのお客さんも思わぬ景色に少しびっくりなされておられました。

御詫びを申し上げ少しお待ち頂きます様お願い致し、鳥を外へ出そうとするのですが、ガラスへ向かい後ろには全く行こうとはしません。仕方なく、捕まえることに致し、少し悪戦苦闘となりましたが、何とか捕まえ、庭に放すことが出来まして安堵いたしました。

気持良さげに飛んで行く鳥を見て、無事に済んで良かったとの思いが広がりました。

ご一緒の方も安心なされた様子でした。

自分への戒めとして。

先にお話し致した鳥ではありませんが、私も視野が狭い方ですので、課題に突き当たりますと、前ばかりを見て「イライラ」と致し、家内を含め、周りの方々へご迷惑をお掛け致すことが度々とありました。

そしてお越しの皆さんは若い方が多いので、日々の生活に限らず、お付き合いの人たちとの軋轢、想いの丈が伝わらず、行き詰まることがあるのではないでしょうか。

そんな時、道は先ず、前だけでなく右もあれば、左もあり、更には、後ろへ戻るという道もあるということを思い浮かべて頂きたく思います。

そこから、必ず良き道筋が見えてきます。

そしてまた、蓮華堂へお参り頂きました時には、赤ちゃんへお参りなされ、自分の中の辛さを素直に語られてみてはどうでしょうか。

此処からも又、進むべき道が見えて来るかも知れません。

思いもかけず、鳥に様々な事を教えてもらう日となりました。

東福寺もすっかりと静かな日々となりました。

ついこの間までは紅葉で引きも切らずお越しになられていた皆さんが、今は潮が引くように、霊源院の前を歩く人を探すのが難しいくらいに、人通りが絶えています。

これからは、蓮華堂へのお参りも、静かに出来る時期となります。

この一年があっという間に過ぎてしまわれたお方、辛いことが続き、日々が長く感じられたお方、様々かと存じます。

しかし、どなたにも思いの丈としてあるのは、来る年は絶対に喜びの年となるようにという想いと存じます。

先ずは自分の努力は当然に、お堂へお参りの節には大事なお亡くなりの赤ちゃんへ真摯なお参りをなさると共に、ご本尊、「地蔵菩薩」へ心からの願いをお伝えください。合掌