お地蔵様

2022.09.22

京都東福寺霊源院の水子供養ブログ

地蔵菩薩様について

皆さんが霊源院へ水子供養でお越し頂きますと、先ずは本堂でご本尊千手観音菩薩へ、どうぞ「亡くなった赤ちゃんが良き世界へ転生なされるように」と祈念致し、お焼香を頂きます。

その後外の蓮華堂へ移動致し、お勤めを致します。

此処では、御本尊の「地蔵菩薩」へ同じく、お亡くなりの赤ちゃんの良き転生、菩提を祈念致します。

地蔵菩薩はよく知られた仏様です、そして、赤ちゃん、子供をお守り下さる仏様として知られています。

皆さんがお亡くなりの赤ちゃんへお参りにお越しになられ必ず、合掌、礼拝なされます、蓮華堂の「ご本尊」、地蔵菩薩について少しお伝え致します。

霊源院へお参りにお越し頂きますと、庭のあちらこちらに野仏として、様々な「童地蔵尊尊」があることはご存知と思います。

お亡くなりの皆さんの大切な赤ちゃんをお守り頂く地蔵尊を庭に野仏と致し祀ることで皆さんに、自分の大切な亡くなった赤ちゃんをお守り下さっている地蔵尊を直接に見て頂き、心に安寧を感じていただきたく、折に触れて庭の地蔵尊を増やして参りました。

お寺の門をくぐり、先ず目に入る「六地蔵尊」を始め、庭にある地蔵尊へお手合わせ致す皆さんをお見掛け致すことは珍しくありません。

さて、その地蔵菩薩ですが霊源院の庭に限らづ、特に京都の町を歩きますと、びっくり致すくらいあちこちの路傍(ろぼう)で石のお地蔵さんを見かけます。

石像だけがたっていることもあれば、木造の屋根や壁を設けたお堂に丁寧に祀られていることも多くあります。

そして、その前には綺麗なお花がお供えされ、時にはその地域の皆さんがお手合わせなさる姿を拝見致すことも珍しくありません。

特に京都では8月24日の地蔵尊の縁日の前後にはお盆の後の「地蔵盆」を賑やかに、子供を集めて致しています。

残念ですが、最近は少子高齢化の影響でその行事が維持できなくなり、随分と寂しくなり、残念な状況ではあります。

それでも、子供を守り、見守って下さる地蔵尊を祀る地蔵盆はまだまだ、続いています。

平安時代に浄土信仰(亡くなったお方は皆、極楽へ行かれ安楽になされているという信仰)が広がり、その中で人は無くなったら、地獄、極楽、様々な転生が待っているが、地蔵菩薩がその転生の辛い部分から救いの手を差し伸べて下さるという地蔵信仰が浄土信仰と共に広がったようです。

その中で、親に先立って亡くなった子供たちは親不孝だということで地獄の「賽の河原」(さいのかわら)へ送られる。

そこで、皆さんもお聞きになられたことがあろうかと思いますが、亡くなった子供はそこで際限なく石を積まされるのですが、それを地蔵菩薩がそこから救って下さるといい伝わったのです。

そこから、亡くなった赤ちゃん、子供の為の供養にと路傍の石に地蔵尊があちらこちらにつくられることとなったのです。

特に「六地蔵」と言ってお地蔵様を横並びに六体並べ、六道の何処へ転生致してもお救い下さいとの祈願を込めて、多くの所へ祀られているのです。

そしてまた、お顔も穏やかで優しいことから変わらぬ信仰を今日も頂いているのです。

私もこの霊源院にご縁を頂き長くなりますが、日々、門から入り、六地蔵にお迎え頂き、野仏の庭の地蔵尊と目を合わせ、心が癒される日々です、

地蔵尊とはそんな存在なのです。

蓮華堂へこれ程に多くの皆さんが絶えることなくお参りなされているのは、ご自身の大切なお亡くなりの赤ちゃんを地蔵尊が間違いなくお守り下さっていると確信なされておられるからと思います。

お堂の外から、本尊地蔵尊へ懇ろに合掌、礼拝なされている姿を拝見いたしますと、それを確信致します。

蓮華堂、絆縁堂がこれからも皆さんのお亡くなりの赤ちゃんを見守って下さる場所であると共に、皆さんの心のより何処になって頂きましたら、何より嬉しいことです。合掌