霊源院の水子供養法要での作法
京都東福寺霊源院の水子供養ブログ
霊源院の水子供養法要での作法
霊源院の水子供養では、まず本堂でお亡くなりの赤ちゃんの追善法要をお勤めいたします。
お寺での法要に参加をされるのが初めての方もおられるようですので、追善法要の意味などを紹介させていただこうと思います。
水子供養法要にお越しの方は
霊源院へ水子供養にお越しの皆さんは先ず、私と本堂へご一緒にお越し頂きます。
住職が御本尊「千手観音」の前でお焼香をいたしますので、一緒に合掌礼拝をしていただきます。
引き続き「南無観世音菩薩」(なむかんぜおんぼさつ)とお唱え致しますので、再度一緒に合掌礼拝をして頂きます。
そして、般若心経を一緒にお唱え(黙誦の方が多いです)、亡き赤ちゃんの追福菩提(ついふくぼだい)を共に祈願しいたします。
続いて、妙法蓮華経観音普門品世尊偈(みょうほうれんげーきょうかんのんふもんんぼんせそんげ:世尊偈)というお経を唱えますが、亡き赤ちゃんがどうぞ良き所へ転生なされているよう、お越しの方々と共に祈願致します。
先ずは、一心に亡き赤ちゃんの良き菩提をひたすらに願うことが大切と考えます。
その一心の願いは間違いなく届くと信じています。
世尊偈というお経は、皆さんが一緒に唱えて(目で追って)頂く般若心経の後に唱えますが、本当はこのお経も私が読んでいる時、ご一緒に目で文言を追って頂くのが理想です。
しかし、このお経を唱えている時は、皆さんには御本尊の前で亡き赤ちゃんへお焼香をして頂きますので、目で追って頂くことが無理となります。
しかし、お焼香が終わり、席に戻られ、お経本を開かれ「世尊偈」(せそんげ)のページに目を向けて頂きましたら私の読んでいるところが解るかと思います。
出来れば、お焼香が終わり席に戻られましたら、お経本を開いて世尊偈の文言に目を移してみて下さい。
水子供養でのお経の意味を一部紹介します
お経はご存知のように、仏教を開かれたお釈迦様の解かれた教えを、お弟子さんが書きとどめたものが後世にお経となって日本に伝わったものです。
ですので、漢訳された意味を読み解くことが出来ます。
今回は一部ですが、この世尊偈(せそんげ)の最初の文言から途中までを現代語訳をお伝え致します。
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観世音菩薩は見事な姿をなされています。
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私は今、重ねて観音様のことをお聞き致します。
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観音様は何故、観世音菩薩と名付けられたのですか。
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優れた姿を備えた仏は偈(げ)「詩」によって無尽意菩薩(むうじんにぼさつ)「地蔵菩薩」に答えられました。
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汝よ聞きなさい、観音様の行いはあらゆる場所に対応なさることを。
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観音様の大いなる願い(衆生を救う)は海のように深く、どんな長い時間考えてもはかり知ることが出来ない程深い思いなのです。
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観音様は過去世(かこせい)に於いて限りなく多くの仏に仕え、この大いなる衆生済度(しゅじょうさいど)「全ての人を救う」の願いを起こされたのです。
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そこのあなたの為に解りやすく説明致しましょう。
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観音様の名を聴き、その姿を見て心にしっかりと念じ、むなしく過ごさなければ全てのあなたの苦しみは消滅しますよ。
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譬え、他の人に悪意をもたれ、燃え盛る火の穴に突き落とされてもあの、観音様の持たれている力を一心に念じれば火の穴は池に変わり、あなたの心に安寧(やすらぎ)が来ます。
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或いは悪意を持った人から巨大な山から突き落とされるような恐怖に会っても観音様への救いを一心に念じれば少しも傷つかず、穏やかな心を保つことができます。と・・・
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赤ちゃんの追福菩提を願い読みます世尊偈というお経にはこのように、一心に観音様の救いを念じれば、必ず心の安心を得ることが出来るのですという意味が込められたお経なのです。
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お経はその意味を知ることは大切ですが、先ずはその祈願の思いを一心に念じ合掌礼拝致すことが大事と考えます。
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その、想いの深さは亡き故人へ必ず届くと思います。
本堂で法要をされている方は、住職が読んでいるお経はこのような意味があると少しでも理解して頂けましたら、その祈願への思いもより一層深まるのではないかと思います。
水子供養へお越しの皆さんはそこの所を思い頂き、お経の文言を目で追って頂きたく願います。合掌