時間は心のお薬です

2022.06.25

京都東福寺霊源院の水子供養ブログ

時間は心のお薬です

辛いこと、悔しいこと、悲しいことが無いというお方はおそらくはおられません。

これらの苦難を乗り越える方法は人により様々にあるとは思います。

時間が過ぎる中で癒され、或いは辛く、悲しいことを忘れさせてくれ場合が多々あります。

時間は心の悩み、辛さ、悲しみを癒してくれるお薬の代表ではないかと思います。

人の人生に「生老病死」(しょうろうびょうし)が大前提です。

人は一生のサイクルの中で、時宜「じぎ」(その時、その時)に応じて病院ではお医者さんにお世話になり、お薬を処方頂き、病を治していただきます。

時には心の病もお医者さんのお世話になり、所謂治療をお願い致しています。

そして、仏教を含む宗教も又、そこには大きく関わりを持っています。

お医者さん、カウンセラー、宗教者の皆さんのお力、ご援助を頂きながら、日々を過ごされている方も多いのではないでしょうか。

只、そこまで行かずに自分の日常の中で収まりを付けて行かねばならぬ苦しみ、悲しみも当然にあります。

私も今年は年の始まりから、様々に心が穏やかならぬ事態が続きました。

かくいう私も、令和4年の声を聴いてから、最近まで、心がざわつく出来事が続いています、もちろん年齢的なことも含めそういう節目に当たったのかなとも考えました。

時には夜寝れない程悔しく、夜に何度も目を覚まし、辛い夜を何度か経験致しました。

頭の中で様々なことを思い廻らし、自分に言い聞かせても中々解決には至りませんでした。

しかし、そのような日々を積み上げる中で、少しづつ心の収まりを感じる自分がいることに気づきました。

何かを致した結果ではなく、淡々と日々を過ごす中で過行く「時間」が心の収まりをつけてくれていたのです。

昔からの賢人の人々が語って下さった、「忘却を伴う時間の経過は人を救うという」言葉が今身に染みて感じ、人の悩みに寄り添う「時間」は本当に心の最良の薬との実感を感じています。

水子供養へお越しの皆さんも赤ちゃんから「時間」という薬をもらっているのではないでしょうか。

蓮華堂、絆縁堂へ日々、水子さんの菩提を願い多くの皆さんがお参りにお越しになられています。

先ずは、お亡くなりの赤ちゃんのご冥福を祈ることが第一義であることは間違いありません。

しかし、そのお参りに来ている私の辛さ、悲しみをお亡くなりの赤ちゃんのお参りに通う時間の中で私が癒され、心の平安を頂かれていることでしょう。

正しく、赤ちゃんから頂いたお参りの功徳ではないでしょうか。

実際に体が癒されました

過日、時間が出来ましたので岐阜県の奥飛騨の温泉へ寄せて頂きました。

短い時間ではありましたが、深い山奥の木々に囲まれた、硫黄の匂いのする温泉に入り、深呼吸致しますと体の中の悪い物が外へ出て行くような気が致し、元気になってきたような気持になりました。

お風呂に浸かりながらたまたまにお話致した方が大阪から御夫婦でお越しとのこと。

コロナも少し落ち着きを見せていましたので、同じ関西から来たということで話が弾み、思わぬ楽しい時間を過ごすことが出来ました。

このまま、コロナが終息致し、気軽に皆さんと会話が出来る日が早く来て欲しいものです。

大阪からのご夫婦は明日は上高地へ行かれるとのこと。

ゆっくりと森林浴を致して来て下さいとの言葉でお別れを致しました。

短い時間のご縁ではありましたが、有難いご縁を頂戴致しました。

霊源院の庭も桔梗の花が盛りを迎えました

蓮華堂前、本堂前の桔梗が紫の花を咲かせています。

東福寺霊源院の本黄前の桔梗

暑い夏を迎える前の、一服の清涼剤です。

お参りの帰りには忘れずに愛でて帰って下さい。

暑さも本格的となり、ゲリラ豪雨の心配も増えてまいりました、どなたも御身体御自愛頂き、日々をお過ごし下さい。合掌