「施」という言葉
京都東福寺霊源院の水子供養ブログ
「施」という言葉
仏教の教えの中には、「施」(せ・ほどこし)という言葉が比較的多く出てきます。
皆さんの中には、施しという言葉に哀れみという印象をお持ちの方もおられるではないでしょうか。
しかし仏教の中での「施」は、修行に通じるとても大切な言葉です。
御布施について
水子供養の追善法要にお越しの皆さんが、お供養の終で納めてくださる供養料も本来は御布施(おふせ)になります。
ホームページの中では、ご覧になった皆さんが解りやすいように供養料と致しています。
本来の御布施は、皆様からのお志ですので対価とはニュアンスが違います。
代々に亘りお付き合いのあるお家の方には、御布施と書きましても、目安にされている額を皆さんが承知されているように思います。
霊源院で水子供養の法要を希望される方の大半は、過去に当院とご縁の無かった人ばかりです。
高級なお寿司屋さんの時価とは根本的に違うのですが、金額が不透明ですと不安になる方もおられると思います。
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初対面の皆様には金額が想像しにくいのではないか?
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金額がわからないと怖くて申込みできないのではないか?
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いちいち問い合わせをして確認をしなければいけないのではないか?
このような理由から供養料として金額を表示しています。
霊源院七施(れいげんいんしちせ)
施(せ・ほどこし)という言葉ですが、霊源院の本堂でも見つけていただくことができます。
水子供養の追善法要を申し込んでいただいた方は、本堂内の御本尊の観音様の前で供養を致します。
法要の際に座っていただくと、正面に般若心経が書かれたホワイトボードがあります。
ホワイトボードの下には「霊源院七施」と書かれたボードがございます。
そこには七項目の私たちが実践を目指す、仏教の教えが書かれています。
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慈眼施(じげんせ):自分と関わりの方々へ分け隔てなく慈悲の眼差し(優しい心の眼差し)を持って接する。
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和顔施(わげんせ):お会いなさる方へ笑顔を向けてお付き合いを致す。それを通して明るく、優しい空間を実現する。
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愛語施(あいごせ):他者へ向けては思いやりと優しさを忘れずに言葉を発する。相手はその言葉を受けて元気、喜びを受けとります。
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捨身施(しゃしんせ):労を惜しまず自分以外のお方へ心遣いを忘れずに奉仕する。
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心慮施(しんりょせ):他者へ慮り(おもんばかり)の気持を持って接する。
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壮座施(そうざせ):電車、バスの中では若い私たちは高齢のお方、身体不調の方々へ率先して席を譲る
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房舎施(ぼうしゃせ):安心、安らぎのばを提供する、様々な場所で自分の出来ることとして安心の空間を作る努力を惜しまない
以上7つの目標を、水子供養や家族の法事でお越しの皆さんの目に触れるように設置致しております。
水子供養も年回の法事もお亡くなりの故人を追慕致し、良き所への転生を願うことが先ず第一義です。
それと共この世に暮らす残された私たちが供養の故人の縁を頂き、自己を真摯にを見つめる修行の場でもあります。
霊源院七施は「言うは易く、行うは難し」ではあります。
しかし私を含め皆さんが、ご先祖様やお亡くなりの赤ちゃんと向き合うことで、出会われた「七施」という言葉を実践していただき、皆さんが仏道へお近づき下さることを願っております。
それも又、何よりの故人への供養になろうかと思います。合掌