盤に刺繍された「南無観世音菩薩」
京都東福寺霊源院の水子供養ブログ
本堂内陣の荘厳具の質問をいただきました
今週の日曜日に、大阪の守口市から毎年くぎかけ供養にお越しのご夫婦様より水子供養の継続をご依頼いただきました。
初めてお越しになってから10年以上経つと思いますが、気軽に会話を頂ける有難いご縁になりました。
いつもの様に本堂でお供養をさせていただきましたが、ご回向が終わった時に奥様からご質問をいただきました。
「正面のお飾りの刺繍の南無観音菩薩はどのような意味があるのでしょうか?」とお尋ねくださいました。
正面の左右に「盤」(ばん)という仏具が一対あります。
その盤の中央には「南無観音菩薩」と刺繍を致しております。
霊源院の御本尊は千手観音菩薩様です。
観音さまは、観音菩薩・観世音菩薩・観自在菩薩など様々な呼び名で多くの皆さんに慕われている仏様です。
様々にお姿を変えて、時と場所を問わず、私たちを見守って下さっています。
また、私たちの大切なご先祖様、故人様の菩提を弔って下さる仏様です。
昔から多くの方に親しまれてまいりました観音様ですが、霊源院のご本尊「千手観音菩薩」様は、多くの皆さんを助ける為に沢山の手を持っておられます。
霊源院の水子供養へお越しの皆さんとお供養を始める前に、必ずお伝えいたしますことがあります。
それは、「ご本尊、観音菩薩へ一緒に礼拝、合掌願います」と申し上げます。
千手観音様に向かい合掌をされる際には、これから亡くなった赤ちゃんへ心を込めて菩提を祈願してください。
皆様には「どうぞ赤ちゃんが良い所で穏やかに過ごしていますように」との発願をしていただいてから、法要を始めさせていただきます。
そのように申し上げましても、お願い致しますご本尊様が観音菩薩様と分かる人が少ないように感じましたので、「盤」に観音菩薩と刺繍をしていただきました。
このようなことを、大阪からお越しいただきました奥様に説明をさせていただきました。
これからは、亡き赤ちゃんの菩提の成就をどの仏様にお願い致すのかが良く解りましたとのお言葉を頂きました。
見える形でお手合わせの対象をお示し致す大切さを、あらためて実感した次第です。
水子供養へお越しの皆さんは、法要の前に「御本尊の観音菩薩へ先ずは合掌、礼拝をしてください」と申し上げました時は、盤に書かれた「南無観音菩薩」(なむかんのんぼさつ)と念じながら、これから観音菩薩へ亡き赤ちゃんの菩提を祈願していただきたく思います。
そして引き続き本尊様へお唱え致します般若心経を経本を見ながら黙誦(もくじゅ)「お経を目で追うこと」頂きます様願います。合掌